アスペルガー症候群への解決志向アプローチ

アスペルガー症候群への解決志向アプローチ―利用者の自己決定を援助する
アスペルガー症候群への解決志向アプローチ―利用者の自己決定を援助するV.ブリス;G.エドモンズ 桐田 弘江;石川 元

誠信書房 2010-07-15
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star発達障害は(プラス方向に)発達すると言うのは、人間は誰でも成長すると言うことではないのか、当たり前である

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診断とは治療方針を立てることである。その中には「治療しない」という方針もある。それがDSMの第2軸診断で、その典型が「発達障害」。自閉症ADHDも。だから彼らを「病気」と呼ばないでくれ。
アスペルガー症候群の人の特徴は「人付き合いが苦手」「コミュニケーションが下手」「こだわりが強い」の3点。ほら、高倉健みたいでカッコいいでしょ。無口で渋くて不器用だ。この3つを反対に書けば「愛想がよく、話し上手で、何ごとにもこだわらない」。そんな「子ども」がどこにいるんだか。これが「定型発達」だって言うんだよ、笑うでしょ。どこのバーのママさんだ。男性社会がずっと女性に押しつけてきた「従順さ」を、いま子どもたちに押しつけている。草食系の家畜にしたいんだろうね。あるいは「あきんど」かな。学校出て就職しようと思っても、接客業の仕事しかないのが現代社会。あきんど連合が政治を牛耳っててさ、教育に口出してくんの。バカだね。世の中、物売りが好きな人間ばかりじゃないって言うの。
そんなわけで「現代の健さん」たちは生きづらい。きっと遺伝子レベルで「この社会には適応するな」とダメ出しが出てるんだろうな。でも、生きづらさのほうは少しでも楽になってほしい。そう考えると、心理療法のファースト・チョイスはSFAになる。至極まっとう。「どうなると今より楽?」をイメージしてもらい、今できていることを組み合わせその目標に近づいてみる。セラピーはブリコラージュだからね。有り合わせのものを工夫していく。空想が苦手な人が多いから、そこはセラピストの仕事。数字で語るのがうまい人が多いから、スケーリングを上手に使って。適宜SSTを組み込んで、苦手なイメージよりは、ロール・プレイで身体を動かすのもいいかも。
90年代にSFAが登場したのは、現代社会の「生きづらさ」が増大したからだと思う。誰もが生きづらい中で、とくに敏感な人から音を上げ始めた、って感じかな。次は「あなた」の番。ぐじゅぐじゅに押し潰されるよ。まあ、「アスペルガー症候群」て診断は来年のDSMから消えるけどね。こんな儚い医学基準で、人間80年の一生を決められたら困るわ。