チェルノブイリの森

チェルノブイリの森―事故後20年の自然誌
チェルノブイリの森―事故後20年の自然誌メアリー マイシオ Mary Mycio

日本放送出版協会 2007-02
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立ち入り禁止にされているチェルノブイリ周辺は、実は豊かな自然の森に変わっている。自然の持つ力は偉大だ。まだ放射能汚染されているけれど、そんなことはお構いなしに動物たちは平和に暮らしている。退去命令に従わなかった住民も、みな健康な生活を送っている。残念ながら、口から火を噴く巨大怪獣はまだ発見されていない。
被爆の問題は詳しくないけれど、とりあえず「チェルノブイリで発ガン率が高くなったのは、子どもの甲状腺ガンだけ」ってことかな。それも放射性ヨウ素半減期は8日間で、甲状腺ガンは事故初期の影響によるものだった。チェルノブイリヨウ素を含む食材に乏しい土地柄だったため、甲状腺に取り込まれやすい。でも、海藻を食べる日本の食生活の場合、放射性ヨウ素甲状腺に取り込まれる確率は低くなる。まあ、慌てるな、ってことだ。
子どもの甲状腺ガンも、政府がヨウ素剤を配布していれば防げた。どんな事件や事故も「教訓」を残してくれている。やってはいけないことは「過去」を風化させ、忘却してしまうこと。いつも「いま出来ること」がある。それをやっていくこと。
東大病院放射線治療チームによる「内部被ばくと福島の"牛乳問題”の解説」


有馬温泉に喩えるのが、比較的分かりやすい。有馬温泉に1時間浸かると8ミリシーベルト
http://ameblo.jp/uedamas/entry-10832872638.html


【追記】

隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ
隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ小出 裕章

創史社 2011-01
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調べてみると、楽観できないですね。発ガン率は事故直後のIAEAの調査が元になっていて、その後の累積的被曝まで予測できていない。また、チェルノブイリの後ソ連が崩壊したため、実は正確な調査が継続されていなかった。実際には、白血病や晩発性障害が起こっているようです。平均寿命が、被曝地域からの避難民に多い。けれど補償問題もあるため、被曝による障害かどうかの認定が厳しく設定されていて、こうした部分は数字として上がって来ない。そして、日本の御用学者はこうした「都合の良いデータ」をもとに議論を進めているようです。調べれば調べるほど、怖い事態になってます。