教育を変えるのに必要なのは電子教科書ですか

白熱激論! 田原総一朗×孫正義「教育を変えるのに必要なのは電子教科書ですか」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1783


USTREAMでの田原総一朗孫正義社長の対談。3回分あるけど、とりあえず「電子教科書」のところにリンクしました。無料で全文読めます。
「他の人のせいにしてても仕方ない」と言いながら「政府が悪い、社長が悪い」と悪者探しになるのはいつものこと。悪者を探せば探すほど、後に残るのは悲観的な無力感。こういうのを認知行動療法では「Locus of Control」と言います。原因を外部に求める患者さんは、もし一時的に症状が好転しても、その理由は外部にあるから「運が良かった」に過ぎない。自分のコントロールとは無関係のところで症状が変化する。そういう認知だと、再発率が高くなります。分かりやすいですよね。病気になったとき、そこに自分についての新しい発見をしようとする人は、自分が何をすると状態が良くなるかの学習が出来る。すると、次に悪化しかけたとき、それに歯止めをかける策も自分の手のうちにあるわけですから再発しない。当事者研究の隠し味です。
政治も経済も同じことだなあ、と思います。「良い、悪い」を考えるのでなく、そこに自分がどうコミットしていくかを考える。だから、今回の二人の対談で拾うべきところは「いま10歳の子どもが30年後に感謝してくれるとしたら、それは何か」という視点。つまり、30年後の世界をイメージする空想力です。まあ、携帯電話を子どもに持たせるかどうか、なんて議論してるうちはダメですよ。きっと30年後はケイタイなんて無くなってますから。そういう小手先の何かを与えるのではなく、スキルや知識なんかではないもの。だって知識とかなら、その場で検索して調べるツールが出来てるでしょうし。もの作りも、大量生産の時代では人件費の安い国でまかなうようになっている。そんな30年後において、働く喜びのある仕事は何か。それは一つ、二つであっては「どの人たちも幸せになる」とはならない。この流動性の高い時代において「30年後」をイメージするなんてムリなことですけど、それでもアウトラインは見えてきますね。禅でよく言う「問いがそのまま答である」。つまり、「先をイメージする力」を身につけてもらうことが「今の子どもたちへの、いま出来る最善のプレゼント」ということ。それがあれば、どんな時代になろうとも、生き残っていける。


Twitterの神々 新聞・テレビの時代は終わった (現代ビジネスブック)
Twitterの神々 新聞・テレビの時代は終わった (現代ビジネスブック)田原 総一朗

講談社 2010-12-21
売り上げランキング : 1343


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
つぶやいてますか? Twitterも30年後は残らないでしょう。技術に目が行けば、木を見て森を見ずになる。Twitterを使っていて、何か「足りない」と感じているものが自分にはないか。そう問いかけることが「先をイメージする力」になっていくんじゃないかな。「既にあるもの」ではなく「未だ無いもの」に目が行く。そういう頭の使い方。