とある科学の超おっくせんまん


ま、文化の日。昔を懐かしむということでJAM Projectが去年歌った「思い出はおっくせんまん」。この歌だけでも熱く泣いてしまうのに、レールガンと絡めるなんてサイコー。そしてニコ動の弾幕で三重に楽しめます。
とある科学の超電磁砲(レールガン)」は、某インなんたらのスピンアウト作品。禁書の漫画化を「電撃大王」の目玉にしようとしたところ、すでに「ガンガン」での連載が決まっていたため、急遽「科学サイド」だけで話を作ることになったもの。だから、禁書に比べ破綻率が低く、物語としての完成度が高い。去年の10月にアニメ化され、近所の本屋で垂れ幕が掛かっていた。面接中に、読むよう薦めてくれたクライエントさんがいた。Googleで「超電磁ヨーヨー」と検索したら、間違ってヒットした。そんなに縁があるなら、読むしかあるまい。
初めの数話は人物紹介のための痴話げんかで、たいして面白くもないが、既にそこかしこに伏線が張られていて、その後に続く小さな事件の裏に繋がる、大きな組織的犯罪が暴かれていくプロセスが小気味よい(あ、シスターズ篇、アニメは「向こう」だけど漫画では「こっち」です。一方通行さんも)。「ただのマンガ」のふりをして教育問題を真正面から扱っているし、「パーソナル・リアリティ」や「AIM拡散力場」というキーワードなんて、心理学からなぜ今まで出てなかったのかと思うくらい、人の心を捉える重要な視点を提供してくれる。
「物語」を産み出せる人には敵わない。ラノベは、それが「子どもたちの目」を通じ評価されるなら、そこに「現代」が映し出されていると考えて良い。「元型」は何も神話なのではない。「人の心を動かす物語」には必ずあるから「元型」と呼ばれる。今この「現代」を揺らしている「元型」は何か。一度見ておいて損はあるまい。


とある科学の超電磁砲 1―とある魔術の禁書目録外伝 (電撃コミックス)
とある科学の超電磁砲 1―とある魔術の禁書目録外伝 (電撃コミックス)鎌池 和馬 冬川 基

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