小さな贈り物―傷ついたこころにより添って

小さな贈り物―傷ついたこころにより添って
小さな贈り物―傷ついたこころにより添って村瀬 嘉代子 中井 久夫

創元社 2004-04
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「良いセラピスト」になるのは簡単で、自分が人知れず苦しんでいるとき、もし相談に行くとしたらどんなセラピストのところに行きたいか考えてみれば良い。自分が会いたいセラピストに自分がなれれば、そのときはもう「良いセラピスト」になっている。だって、その「セラピスト」が自分の心の中に住む治療者元型なのだから。なるべきものに既になっている。まるで頓悟だ。
そういう意味で僕がもし世をはかなみ生きる気力を失ったとき、「相談に乗ってほしい」と思える方は村瀬先生である。この方なら、僕の悩みをそのままに聴いてくれるだろう。決して「治れ」というオーラは発してこないだろう。「生きろ」とも言わないだろう。苦しみに同情したりもしないだろう。僕が感じている通りを理解してくれて、伝わっているのを感じるだろう。僕の知らなかった僕の「苦しみ」が、話すうちにそのベールを脱いで姿を現してくるだろう。うーん、それは気持ちいいなあ。
とまあ、そういう「セラピスト」をイメージできているときは、たぶん自分でもそういうセラピーの出来てるときだとは思うけど、つい忘れちゃうんだよねえ。何をやってんだか、ってあとで悔やむことが多いよ。とほほ。